映画感想
“ファーストコンタクトもの”としての人工知能SF Netflix でやっていたもんだから 高度に発達したAIと言うのは、現状もっとも確からしく人間の遭遇するであろう“人間に匹敵する”知性体である。少なくとも最近は。AIとの付き合い方と言うのを考え始めたのはい…
久しぶりの映画感想。流石あのイヴの時間を脚本監督された吉浦康裕監督。いろいろ考えさせられたり背景設定に思いを巡らせられたりしてとても楽しかった。感想を書きたくなる一本。ただ趣味を抜きにしてみると「企業研究者倫理はどこへ……」となあるあたり、…
みんな違ってみんな良い とはならんわけです。なぜなら私は“すれっからし”のオタクだから。 映画には2種類の映画があります。「映画な」映画と「劇場版」映画です。 いや正確に言えば、「映画な」と形容される性質は属性であり、もちろんいわゆる「劇場版」…
言わずと知れた名作。苛烈な戦闘シーンとその中でもがく兵士たちの織り成すドラマ。でもやっぱり最初に目が行くのは、きっと印象的な色彩設計と、それが織りなすモガディシュの戦闘への、そしてソマリアへの国連軍の介入への、実は冷笑的な目線な気がする。 …
いつものごとく、ネタバレありです。ご了承を。 端的に言えば、結局のところ次の言葉でこの話は要約される。すなわち、「たとえ月並みなことであっも、それが真実であることに変わりはない」って話だ。 シンエヴァで語られることは、もちろんSF的衣装や描写…
アマプラ限定で見られるようになったから、というオタクの風上にも置けない理由で見たわけですが、(見なきゃいいのに)レビューや各所ブログで酷評される姿を見て感想を書きたくなってしまった。いや、擁護したいわけじゃないんですよ。 あらすじ 都会から…
かつて1人の敬虔なキリスト教信者 --そして後に偉大な実存主義哲学者として認識される青年-- は``死に至る病''という存在を見出した。 死に至る病とは自己実現の不能性から来るものだ。 自らが目指す姿、こうありたいという姿に、外因的であれ内因的であれ…
向上心があり、学ぶ姿勢もあり、記憶力もある。そんな能力のある青年が、未曽有の経済危機によって職が得られない時代。生きていくためにビジネスチャンスを探していた彼は、ある日自分の才能を生かせる職を見つける。勤勉で野心的な青年痛快なサクセススト…
戦争映画を描くとき、「戦闘」を映すことは必然的とも言える。 戦闘という場面は戦争における命の軽さを、人命が数字として捨象されていく様を、そして日常とは違うという意味での特殊性を、恐らく最も効果的に、そして象徴的に訴えかける。 しかし戦闘を描…
「心無いことを言う」と言われるように、誰だって取り消したい言葉があって、でも言葉というものは、一度発してしまって相手に届けば、二度と取り消すことは出来ない。 だから誰しも言わずにいることがあって、優しい嘘をついて、本当に言いたいことは胸にし…
自身の生命活動を維持する最低限の共同体から孤立し、共同体に属する理由を失った人間の取る最後の行為は、今のところ二つある。 自殺か、他殺。しかも後者の場合は、恐らく大量殺人が好まれる。 どちらも、自らが存在する世界の破壊ではあるのだけれども、…
お盆休みで帰省した折、日清と天気の子がコラボしたCMを見た。 - YouTube で、これを見た時になんとも言えない薄ら寒さ、みたいなものを感じたわけだけど、その理由を考えるに、たぶん天気の子がマスに向けた作品ではないにも拘わらず、CMというマスに向けた…
事前情報を限りなくシャットアウトして見た後の感想は、下記ブログとほぼ同じで、「濃密なセカイ系を見せつけられた」って感じでした。 PS2版天気の子を俺たちは遊んだことが有る気がしてならないんだ。 - セラミックロケッツ! 映画館を出た廊下でひとしき…
「プランクダイブ」と「あなたの人生の物語」と「2001年宇宙の旅」を足して3で割って掻き混ぜた、っていう映画 (ただし3作品は小説版を指す)。 アマプラの感想にいろいろ賛否あるけれども、じゃあなんでああいう感想群になってしまったのか、少し考えて、多…
「未来、たぶん日本。“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」 という一行からこの映画は始まる。アンドロイドが普及し、日常に溶け込む世界。その中で主人公の向坂リクオは、自身のアンドロイドで…
悪を裁くのは正義だ。しかしその意味は、悪に対する対義語としての正義、という以上のものではない。もし、悪でないから正義である、という同語反復でしか正義を定義できないのならば、はたして正義を求めることに意味はあるのだろうか?悪に対する復讐は正…